『AV女優の裏側リポート かたりたがーる 青山未来』レビュー 〜メンヘラジェットコースターロマンス〜
あぁ、なぜ世の中にはメンヘラの女の子を「メンヘラ」と揶揄する汚い言葉しかないのだろうか。。彼女たちは普段の生活をテキトーにしている量産型の女子たちよりも思い悩み、不器用に美しく生きているのに。
なぜこんなにも歪で、こんなにも美しいのか
テレキャノで大好きになった梁井一監督のかたりたがーるシリーズの一つである本作は、なんとなく見た目がタイプだったという理由で数あるシリーズの中から気軽に選んだ自分に衝撃と感動をもたらした。
青山未来、彼女の心の闇とそれを隠すかのような明るさには美しさしかなかった。
何を隠そう、僕はメンヘラの女子が大好きだ。
彼女たちの心の歪さやそれを埋めるために思い悩み、必死に生きている姿はなによりも美しいと思っているからだ。
青山未来の暗い生い立ちは彼女の心に傷を残すのに十分で、それを乗り越えようとしている姿にどんどん引き込まれた。
メンヘラの子達の特徴として、辛かった過去の思い出をつい昨日のことのようにリアルに語る。きっとあの子達はその過去を何度も振り返り、打ち勝ち、それでもまた過去に引っ張られて生きていっているんだと思う。
そしてそんな心に闇を抱えた女の子達はセックスへの想いが強く、激しい傾向がある。
先日ひょんなことから一発ヤッたメンヘラの女の子が言っていた
「私はセックスが好きなんじゃなくて、セックスしてる最中は普段は誰にも必要とされない私でも、必要としてくれている感じがするからセックスをする。」
という考え方はきっと他の子達にも共感できることなんじゃないかな?と思っている。
そしてそれに漏れることなく青山未来のセックスは壮絶の一言だった。
不器用に、必死に、歪な心と向き合いながら生きる青山未来は誰にも代え難く美しかった。
ジェットコースターロマンス
絡みシーンでの青山未来は、前述した通り壮絶なセックスだった。
予想を裏切らないドMっぷりは「あぁ、やっぱりこういう子達ってこうだよな〜」と納得する描写だった。だが、青山未来の真骨頂は上下のポジションが切り替わった瞬間、まるで他人のようなドSっぷりで、思わず見ながら「うぉぉぉ!」と叫んでしまった。
超ハードなジェットコースターのようなその変動っぷりは是非実際に見て体感して欲しい。
その裏側の心理ってなんだろう?って考えてみたけれど、結局答えは出なかった。
もしかしたら辛い過去を乗り越えようと必死にもがく彼女の心の弱さ(M)と弱さを見せまいとする強がる心(S)が表現された結果なのかもしれないし、ただただ今までの経験で刷り込まれていった癖なのかもしれない。
また、一貫して梁井さんがイッたあとも、セックスを終わりたくないような様子を見せる。それも前述した求められている幸福からくるのだろうか?
もしそうだとしたら、本当に彼女は辛く苦しい人生を送ってきたのだろう。
それでも笑顔で生きようとする姿は何度も言うが、何物にも代え難く美しい。
梁井一の狂気
テレキャノ2013でその男としてのカッコよさと狂気で一気に僕の憧れの男となった梁井さんだが、今回は狂気さを見せてくれる。
一番狂気さを感じたシーンは1回目の絡みの直前、青山未来が18歳から一緒にいる心の拠り所である「くまのくーちゃん」を映し、絡みが始まってすぐに、比較的雑にその「くまのくーちゃん」を青山の横にポイっと投げる。
ドライブ中に心の拠り所であることを話していたことからも、きっとカメラを回してない時も、「くまのくーちゃん」は登場したんだろう。
そしておそらく、梁井さんはくまのくーちゃんと会話も(半ば無理矢理に)していたと思う。実際自分も昔そういった経験があるが、大人がぬいぐるみと無邪気に会話するのはハードルが高いし、結構疲れる。
けれどそれだけ青山が大切にしていた「くまのくーちゃん」を意味深に撮り、そして目隠しした青山の横に投げる絵は見ていて得体の知れない怖さがあると感じた。
表現者としての梁井さんの計算された絵なのか、それともナチュラルにやっているのかはわからないけれど、そのなんとなくのカットはとてもとても印象に残るシーンだった。
また、「幸せ」というワードをフックにした展開(ネタバレになるので是非自分の目で見て欲しい)はとても美しく、最後のシーンが終わった頃にはこれがAVであることを忘れていた。(ガチです。)
そんな青山未来の心の闇が魅せる美しさと、梁井一の狂気さが合い混じった心に残る作品でした。
AV女優の裏側リポート かたりたがーる 青山未来 [DVD]
あぁ、日本中のメンヘラの女の子の頑張った手首に普通の女の子には絶対出せないキラキラ輝くタトゥーを彫って回りたい。
ではまた。