『完全版 テレクラキャノンボール2013』レビューその2 〜飛び越える男、梁井一〜
29歳の自分にとっての新しいバイブル『完全版 テレクラキャノンボール2013』レビュー全3回の2回目。今回は心にグサッと刺さった3つ要素のうちの一つ「勝つために手段を選ばないこと」についてお話ししたいと思います。
ギリギリの状態の時に何を考え、どんな行動ができるか?
あなたが仮に営業マンだとして、今日は締め切り日であと一件獲得できたら目標達成する。ライバルの同僚にもいい顔ができるし、尊敬する上司にも認められる。
でももう既にあてがない…
けれど何としてでも達成したい。土下座してでも、靴を舐めてでも、夜中になっても何としてでも達成したい!
ここまでは誰だって考えることです。でも考えるのは簡単で、よし!やってやる!ってなったあとに「でもなぁ。あそここの前怒られたしなぁ。」とか「達成しなくても死なないしな〜。」とか「ちょっとツイッター見てから電話しようかな。」とか弱めのマインドが邪魔をして甘えてしまう。
営業マンの例えで話をしましたが、こんな経験ありませんか?
いや、きっとあるはずです。
仕事をしていたら出てくるそんな甘え。それを簡単に飛び越え、最大のパフォーマンスを発揮する姿が彼らにはありました。
ネタバレするとちょーもったいないんで、具体的には書かないんですが、絶対無理!マジきつい!ってなるようなハードルを簡単に越えていきます。
特に感動したのは梁井一の札幌2日間。
1日目の強めのカップルで強烈なインパクトを残しつつも、2日目の金髪の老婆との絡みでさらにパフォーマンスを発揮し他の5人に衝撃を残します。
結果はもちろん大事ですが、その過程で手段を選ばず色んなものを飛び越えていくスタンスは時に「こいつには敵わないな〜」だったり「今回はたまたま勝てたけど、次は絶対ヤバいな〜」といった一目置かれる要素になるんだと思います。
見たひとには分かる。梁井一の物語にとって猫は重要なポイント
なぜ梁井一は飛び超える男なのか?
これ完全に僕の考察ですし、梁井さんへの憧れ補正が入りまくった見解ですが、彼のモチベーションの根源は本質を撮ろうという心意気(その1参照)と、師への憧れ、そして相手が誰であっても絶対に勝ちたい男気とガッツがあるんじゃないかと思いました。
この人カッコいいな〜と思うと同時にこの人シンプルに狂ってるな〜ってシーンが出てくる。2日目の札幌でやたらと猫を写したり、金髪の部屋をガンガン映す感じとか、この人ハメてる途中だけどたぶん今どんな時よりも冷静に次なにを撮るかや、どうやって勝つか?を考えてるんだろうなぁって感じました。
それでいて目の前にひっくり返ったウシガエルみたいなババアがいて変な声で喘いでるのにチンコが中折れする気配が全くない。
男としての絶対的な強さと、一線を飛び越えた狂気を感じました。
でも全員でプレビューしてる時にはドヤってない。飄々としている感じ。これこそ一目置かれる男の真髄だと思います。
全力で全員戦うから、全員カッコイイ
もちろん梁井さん以外の5人それぞれにカッコイイポイントがあって、全員マジでリスペクトしています。そして全員が全員を賞賛し「お前すげぇな!俺も頑張ったけど、お前の頑張りもすごいよ!」ってスタンスで交わす会話には、戦友のグルーヴ感があって、ラストの全員並んでるシーンでちょっと泣きました。
仲間っていいな!全員で競いながらも賞賛できる間柄っていいな!ってマジで思いました。
一人一人が頑張って、頑張った結果を発表して、自分よりも速いヤツやすごい絵を撮ったヤツを褒めながらも全力で悔しがる。
そんな関係があるからこそ、勝つために手段を選ばない男気が全員にあったんだろうなぁと思いました。
一緒に戦う仲間を褒めたりすげぇ結果に悔しがったり、目線は高く、心は熱く。
そんな生き方を自分もしたい。
そう心から思うことができる作品。
それが『テレクラキャノンボール2013』であり、カンパニー松尾・バクシーシ山下・ビーバッブみのる・タートル今田・梁井一・嵐山みちるの6人のめちゃくちゃカッコイイ男たちのひと夏の物語だったんだなぁと思います。
それでは今回はここまで。
次回は全3回のラストとなります。
ではまた。